研究課題
第2フェーズ(平成29年度計画)では、第1フェーズで捉えた米国の芸術教育の動向がどのように取り計らわれているのか、実際の教育現場でのメディアアートの授業調査を行った。複数の米国の美術教育研究者に取材し、取材対象校を精査した。特にカリフォルニア州ではCTE(Carrier and Technical skill Education)を推進し、映像メディアを扱うメディアアートの授業に対しても手厚い補助金が設けられている。そこで、研究対象学校をカリフォルニア州のプレザントバレー高校に定め調査をおこなった。対象校は米国のナショナルカリキュラムのメディアアートカリキュラムを念頭に、P21が示す21世紀型スキル(soft skills)が職業教育の枠組みで実践されており、非常に先進的な取り組みをしており取材対象モデルの1つとして有益な取材が可能であった。実際に現地にて取材を行った結果、メディアアートの授業実践の大きな障壁は機材などへの設備投資費用であり、教員の自助努力による補助金の獲得なしには授業実践自体が難しい実情が明確となった。また、21世紀型スキルも効果的に授業内で扱われ、職業教育と言いながらも大学進学を前提にしたプロジェクトベースのカリキュラム構成で、学生に有益な映像リテラシー教育になっていた。取材をおこなった教員へのインタービュー動画をまとめ、YouTubeに一般公開している。その他にも米国のメディアアートカリキュラムを作成した研究者に取材を行い、具体的なカリキュラム作成の背景について見識を深めた。研究成果は美術教育系の国際・国内学会にて口頭発表し、さらに学会誌にも公開した。
1: 当初の計画以上に進展している
当初の計画通り、米国のメディアアートカリキュラムに関して体系的にまとめ、さらに具体的な現状を把握できるような取材を行い、ビジュアル資料などをまとめ成果発表ができている。さらには、カリキュラム作成者に取材を行うなど当初計画よりも進んで研究ができている。また、具体的な授業実践方法に関しても国内の高校ですすめるなど当初計画以上に進展している。
第3フェーズ(平成30年度計画)では主に前段階のフェーズで獲得された知識やデータ資料をまとめ、米国における教育実践事例の公表資料を作成する。当初計画に加えて、第4フェーズも同時に進行し具体的に我が国にどのような成果として映像メディア表現のカリキュラム構成が可能なのか、実践的な研究を進める。
(理由)旅費等、本来であれば米国国内の移動で取材を行うところ取材対象者が来日したために、日本国内で取材が可能となったため、次年度使用額が発生した。(使用計画)フェーズ3研究のための消耗品費と合わせて使用する予定である。
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美術教育学研究
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美術教育学
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InSEA 2107 35th World Congress of the Int'l Society for Education through Art Proceedings
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