研究課題
本研究では米国では2014年にメディアアート領域がナショナルスタンダードの芸術教科に取り込まれた。それらの諸処の動向と相関を体系的にまとめ、カリフォルニア州での実践例を調査した。それらの分析と省察から、我が国の美術教育の課題と照らし合わせながら、特に映像メディア領域の果たしうる役割の再考から現状の現場教育に即し、21世紀に展開可能な教科内容学のモデルを提案した。本研究では、映像メディアの導入段階で映像と身体とのつながりを体験するとことの重要性についてまとめた。重要性は、実態のない映像を身体の動作と合わせて実感させることで、映像をリアリティのある実態として捉え、対象への興味関心や探求の深まりをもたらすことに焦点化して位置付けた。また、映像メディアの素材特性として映像的触覚知について取り上げた。映像的触覚知では、映像機器の特性をいかして拡大する、時間をコントロールするなど肌理を観察するような触覚的観察活動とその効果についてまとめた。さらに、映像表現のカリキュラム構造として5つのフェーズを設け初等教育から高等教育にわたって段階的に学びが広がるような構造として設定した。第4フェーズ(2018年度計画)で予定した内容は平成30年に我が国の美術教育関連学会の連合で出版した『美術教育ハンドブック』に掲載された。よって、当初予定を微修正し、第4フェーズでは上記の5つのフェーズの中から「4.対象を読み解き整理するための映像に」ついてその実践と効果をまとめ、本研究全体の報告もかねて国際的な成果報告に焦点化して活動を行った。成果はInSEAの韓国および香港大会の研究報告に掲載され、InSEA出版より書籍化される予定のチャプターとして2020年中にパブリシティーを行う。
すべて 2020
すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)
InSEA Asia Regional Congress, 2018, Hong Kong & 7th World Chinese Arts Education Symposium: Proceedings
巻: 1 ページ: 105-113