研究課題/領域番号 |
16K17453
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
坂田 桂一 鹿児島大学, 法文教育学域教育学系, 講師 (80773366)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 中学校技術家庭科技術分野 / 技能教授 / 教員養成 |
研究実績の概要 |
2016年度は主に技術科教員養成における技能教授に関する力量形成を図るための教材・教具を開発し、その有効性を実際に講義、演習を行うことで調査・検証した。その結果、本研究が開発した教材は、以下の3点について学習者らの技能教授に関する力量形成に資するものであったことが明らかとなった。第一に学習者らの技能そのものの向上である。学習者らはのこぎりによる切断、計測・検査、記録、改善点の検討といった一連の学習活動を通して、着実にその技能を向上していった。第二に、当該作業における教授内容を抽出し、整理する力量である。学習者らは幾度も反復して作業を行い、それを反省的に検証することによって、当該作業における技能の要点を抽出することができていた。第三に自分や他者のクセやつまずきを読み取り、フィードバックするための力量である。また、本研究を通して、技術科教員養成における技能教授に関する力量を形成するためには、多くの技能を網羅的に習得するだけでなく、一つの技能についてじっくりと学ぶことの重要性や、他者と共同し、意見を交わしながら探求していく活動を含みいれることの有効性が示唆された。なお、本研究の成果報告については現在論文を執筆中である。 また、次年度から本格的に着手する動作分析を用いた授業の開発については機材等を揃え準備を行っている。加えて、本研究の3年目に行う予定の研究テーマについても研究協力者らとその内容について協議しているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現時点においてはまとめるには至っていないものの、本年度の課題としていた研究内容は着実に進捗している。また、今後の研究の準備については、機材や研究協力者との協議など、同時並行で進めることができている。これらの理由から、本研究の進捗状況は「おおむね順調に進展している」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
研究協力者に協力を仰ぎながら技能教授に関わる力量形成に資する指導法を考案、検証していく。研究協力者としてはこれまでにも関係を築いてきた学校現場の教員および退職された教員に加え、熟練した技能をもった職人(技術者・技能者)らにも協力が得られる見込みである。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究代表者と協力者との都合が合わず、旅費の執行が行えなかった。今年度行えなかった旅費を次年度使用する予定である。
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次年度使用額の使用計画 |
研究代表者の旅費に加え、協力者を招聘し、その旅費に使用する。
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