研究課題/領域番号 |
16K17453
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
坂田 桂一 鹿児島大学, 法文教育学域教育学系, 講師 (80773366)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 技術科教員養成 / 技能 / 映像教材 / 力量形成 |
研究実績の概要 |
今年度は前年度に行った研究の成果を論文としてまとめた。より具体的には、技術科における技能教授のための教材開発に関わる力量形成を目的として、大学における技術科の教育法に関わる演習型の授業で技能教授を目的とした映像教材の製作課題に取り組ませた。 技術科における技能教授のための教材開発に際し、教員に求められる能力としては、当該技能について習熟していることもさることながら、教授内容を適切に分析、抽出し、それらを具体的な授業展開も含め、教材として構成することのできる力量が求められる。これまで技術科の教員養成課程においては、技能の習得、習熟については一定程度試みられてきたと考えられる。一方でその教授内容の分析や教材を構成するための力量については十分に検討されてきたとは言い難い。本研究はそうした力量形成を図るための方策として映像教材の制作に着目した。映像教材を作成するためにはまず目標となる技能の選定をし、その技能に関する教授内容を抽出し、構成や内容、表現に注意を向けながら学習者に伝わりやすくまとめあげる必要がある。そうした一連の活動を通し、上記の技能教授に関わる教材開発の力量形成を促すことを試みた。 本研究は映像教材の制作過程や事後において学生らが記述した記述類を分析し、その有効性を検討した。その結果、この課題に取り組んだ学生らは①教育目標となる技能を彼らなりの根拠を持って選定していたこと。製作を重ねていく中で、②教授内容の分析をより詳細にしていたこと。③より生徒に伝わりやすくなるよう、表現の方法や④教授内容の配列及び構成を工夫していたことが明らかになった。これらの受講生らの変化は、技術科における技能教授のための教材開発に関する力量形成に資するものと考えられた。本論文は鹿児島大学教育学部研究紀要第70巻教育科学編に掲載された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初利用予定だった機材の販売中止などを受け、研究計画を修正する必要が生じている。
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今後の研究の推進方策 |
本年度に開発、実施した授業の結果の分析をすすめる。またその成果を学会誌等に投稿する。 また、技能教授のための力量形成を図る技術科教員養成の授業及び教材を開発するにあたって、中学生らが技能を習得することのもつ教育的意義について深く理解させる必要がある。そのための講義、演習についてもさらに検討を重ねるとともに、技術科における技能教授の教育的意義に関する理論的整理も進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究協力者の招聘や調査旅費に使用する予定であったが、諸般の都合により行うことができなかった。 次年度は調査旅費や協力者への謝礼等に使用する予定である。
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