研究実績の概要 |
具体的な研究実績としては、各研究協力施設において,幼児,児童を対象としたワークショップを継続実施した。徳島市内児童館及び保育所,東京都内の中学校,さらにニューヨーク市内の公立学校及び高等教育機関において実践を行い、系統的なデータ収集を行うことができた。平成28年度の研究から得られた知見をあわせて反映させて,フロー理論に基づいた新しいヴァイオリン学習の実践を開発し省察した。具体的には,異なる発達段階の実践例において観察されたフローを分析し,ヴァイオリン集団学習においてフローが顕著だった活動を活かした実践モデルの構築を行った。各研究協力校及び施設のスタッフ,保護者等の協力を得て,複眼的にビデオのレビューを行いナラティヴを構成した。フロー観察法の指標に着眼して,特にその前後関係や文脈を捉えることに留意を払った。最終的に幼児,児童のヴァイオリン集団学習の実践モデルを開発し,研究の一般化と発信を行うことができた。 最終的な研究成果として,以下2編の国際雑誌掲載を行うことができた。いずれもレフェリー付き、インパクトファクターを有する当該分野のトップジャーナルである。Akutsu, T. (2017). Observable flow experience in a two-year-old Japanese child’s violin playing. Music Education Research. (Accepted on 18, November, 2017). Akutsu, T. (2017). Constructing a “fast-protocol” for middle school beginner violin classes in Japan. International Journal of Music Education. pp.1-17. さらに国内雑誌(レフェリー付き)として、日本音楽教育学会の雑誌に和文論文が掲載された。Akutsu, T. (2016). 「子ども一人一人の学びを保証するツールとしてのフロー観察:幼児のヴァイオリンや他者との関わり合いの観察を通して」音楽教育実践ジャーナル Japanese Journal of Music Education Practice.
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