研究課題/領域番号 |
16K17467
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研究機関 | 長野大学 |
研究代表者 |
丹野 傑史 長野大学, 社会福祉学部, 准教授 (90761031)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 養護・訓練 / 動作訓練 / 自立活動 / 機能訓練 / 肢体不自由養護学校 / 東京都立光明養護学校 / 東京教育大学附属桐が丘養護学校 |
研究実績の概要 |
本研究は、肢体不自由養護学校における養護・訓練の指導体制の整備過程について事例的に検討することを目的としている。平成28年度は、東京都立光明養護学校および東京教育大学教育学部附属桐が丘養護学校の基礎的資料の収集を中心に行った。 東京都立光明養護学校については、学校要覧等の資料を基に、在籍児童生徒の障害の重度・重複化の経年変化について明らかにした。その結果、当該時期においては、身体面の重度化は非常に進んだ状態であり、重複化、すなわち知的面での重度化が見られた。また、これは光明養護学校に限らず、全国的な傾向としてみられた。 一方で、東京教育大学教育学部附属桐が丘養護学校については、学校要覧、研究紀要について分析を行い、養護・訓練、とりわけ養護・訓練の指導において動作訓練が校内において非常に重視されていたことを明らかにした。ただし、桐が丘養護学校における動作訓練は、養護・訓練の指導技法として導入されたわけではなく、養護・訓練の前身の機能訓練時代において、学校で医学的訓練を重視することへの疑問や、医療的ニーズの低い肢体不自由児への指導方法の1つとして動作訓練が導入されたことが明らかとなった。 両校の資料収集と並行して、光明養護学校が所在する東京都における養護・訓練の指導体制の整備過程に関わる資料についても収集を行った。その結果、東京都では、養護・訓練の指導について、特に障害の重い肢体不自由児に対して、今日の自立活動に近い観点からの指導の必要性を指摘したことを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
資料収集については、特に東京都立光明養護学校の資料収集が想定通りに進まなかった。加えて、学校の資料においては相当の個人情報が含まれることが予想されたため、当初は光明特別支援学校内で作業を行うことを予定していたが、その時間を十分確保することができなかった。また、統計資料や東京都に関わる資料が当初の想定以上に多く収集ができた一方で、これら資料の分析には相当の時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
2017年度は、既に収集済の資料の分析を早急に行う。また、光明養護学校の資料については、個人情報を含まないと研究者および学校が判断できた資料については、学外への一時貸し出しについて確認したので、収集・データ化・分析について効率的に行っていく。 さらに、これらのデータを総合的に考察し、養護・訓練の指導体制がいかに整備されていったか、また、その中で動作訓練がどのように扱われていたのかについて検討する。
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