本研究では、日本語話者の発達性読み書き障害児を対象に、眼球運動機能と音読の流暢性の関係を検討した。対象は、音読の流暢性(音読速度)に問題を示さない日本語話者の発達性読み書き障害児である。視標の追視、輻湊及び跳躍眼球運動(サッケード)に関して直接視察した。またDevelopmental Eye Movement Test(DEM)を使用して眼球運動機能を評価した。その結果、眼球運動機能の問題を示さない発達性読み書き障害児と、眼球運動機能の問題を示す発達性読み書き障害児がいることが明らかとなった。眼球運動の問題は必ずしも音読の流暢性に影響を与える要因ではない可能性が考えられた。
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