高速かつ可逆的に酸化チタンの濡れ性を光照射により変化できれば、ワイヤレスな液体操作への応用が期待できる。本研究では撥水化速度に優れるルチル型酸化チタン膜へバイアス電圧を印加し、光生成キャリアの動きの促進/抑制による親水化/撥水化の双方の光応答速度の高速化を目指した。光応答性の改善と濡れ性変化幅を増幅する表面構造としてT字断面形状のピラーアレイ表面構造とルチル型結晶構造制御を組み合わせることで撥水化に要する時間を180分から6分へ短縮した。さらに高温・低圧条件でスパッタ成膜して得られたルチル型酸化チタン膜に0.9Vのバイアス電圧を印加することで顕著な濡れ性変化の促進を確認した。
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