超伝導応用の発展・普及に資するため、高磁場応用の新材料として注目されている鉄系超伝導体について、臨界電流特性の向上を目指した研究を実施した。本研究では特に、臨界電流密度が化学組成に対してどのように変化するのかを詳細に調べた。その結果、鉄系超伝導体の不足ドーピング領域では、超伝導相と反強磁性・斜方晶相が共存/競合することに起因する特異な磁束ピンニング機構が働き、臨界電流密度が大きく増大することが明らかになった。この知見を超伝導線材に応用し、化学組成の異なる鉄系超伝導体原料を用いた線材の作製・評価を行ったところ、臨界電流特性の向上につながる結果を得た。
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