ナノデバイスにおける電荷キャリアの非平衡ダイナミクスを検出することは、何十年もの間依然として課題である。この問題を解決するため、本研究ではパッシブTHz散乱型近接場顕微鏡を用いて観測の実現を目指した。 グラフェン試料では、過剰ノイズによる表面付近の電磁エバネッセント波をイメージングした。金属試料では、電流による熱励起エバネッセント波を得た。GaAs半導体試料では、非線形領域において狭窄領域から伸びる近接場信号が検出されており、ホットエレクトロンのエネルギー散逸に起因すると考えられる。以上から,開発したTHz近接場顕微鏡が、デバイス産業および新規材料研究へ応用することが期待できる。
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