テラヘルツ波に共鳴をもつマイクロ構造と光に共鳴をもつナノ構造を併せ持ったテラヘルツ波発生体を作製しその特性を調べた。銀ナノインクを合成石英基板に塗布して焼結することで、自発的に形成されたランダムな金属ナノ構造を表面にもつ銀薄膜を作り、その後この一部をレーザー加工で削り取って大きさ数十μmの分割リング共振器構造を作製した。フェムト秒レーザーパルスを照射し放出されるテラヘルツ波のスペクトルにはピークが現れ、その周波数はリングの大きさや向きによって変化した。このピークの周波数はテラヘルツ波時間領域分光法で測定した透過スペクトルから得たリングの共鳴周波数とおよそ一致することが確かめられた。
|