研究課題
若手研究(B)
本研究では、タンデム加速器に入射するフラーレン(C60)負イオンビームの高強度化のため、電子付着型の新たな負イオン源の開発を行った。本イオン源は、昇華させたC60に低エネルギーの電子を付着させることにより負イオンを生成する。電子源にフィラメントを使用したイオン源を製作し、生成する負イオンのビーム強度を測定した結果、従来のセシウムスパッタ型イオン源と比較して4桁以上の高強度化に成功した。
イオン源工学
MeV級エネルギーのC60イオンビームは、極めて高い二次イオン収量を利用した高感度二次イオン分析や、重イオン照射では困難な無機材料中へのイオントラック形成を可能にし、分析技術及び新機能材料開発の新しいツールであるが、得られるビーム電流の低さがこれらの開発を進める上での課題となっていた。本研究成果により、タンデム加速器を用いて高強度のC60イオンビームの生成が可能となり、これら研究開発の加速・新展開が望める。