赤外ポンプ・プローブ分光法による研究に基づき提唱されたプロトン伝導性酸化物における赤外誘起水素拡散促進効果を検証するために、正ミュオンを水素の擬似同位体として酸化物に打ち込み、その運動状態に対する赤外照射効果を調べる実験を行った。本研究のためにJ-PARC MLF D1エリアにキセノンフラッシュランプを設置し、赤外照射ミュエスアール測定系を整備した。これを用いてKTaO3、SrTiO3、およびTiO2に対してミュエスアール測定を行ったが、赤外照射効果を確認するには至らなかった。光量不足により当該効果が観測できなかった可能性が残るため、より出力の高い光源を用いて再度実験を行う必要がある。
|