研究実績の概要 |
自明な公約数を有さない自然数(>1)の三つ組み(a,b,c)から生じる三項型の指数型不定方程式a^x+b^y=c^zについて研究を行った。前年度から引き続いて、Debrecen大学のI.Pink氏との共同研究において、方程式の自然数解(x,y,z)の個数の評価に関する研究を進めた。今年度の終了時点で、最終目標であった命題「方程式は高々二つの解しか持たない。ただし、(a,b,c)=(5,3,2)または(3,5,2)の場合を除く」の証明がほぼ完成し、論文を作成中である。また、前年度中の研究成果の内の一つの論文が本年度中に査読付き論文としての出版が受理された。これは、立方剰余理論を指数型不定方程式に応用し、アイゼンシュタイン数に関わる方程式族の解の決定を行ったものである。さらに、前述のPink氏との共同研究中に、4項型の指数型不定方程式a^x+b^y=c^z+d^wの特別な場合のある性質を導くことが出来た。この性質の応用可能性について、ピライ方程式の解の個数の最良評価に関するM.A.Bennett予想(2001)に対する考察を始めた。
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