研究課題/領域番号 |
16K17561
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
代数学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
DONOVAN WILL 東京大学, カブリ数物連携宇宙研究機構, 特任研究員 (60754158)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | Perverse sheaves / Derived symmetries / Mirror symmetry / Flops / Variation of GIT / Deformation theory / Noncommutative algebra |
研究成果の概要 |
本研究は代数幾何学、すなわち代数方程式の解として決まる空間(解空間)を対象とした。そのような空間は滑らかであるとは限らず、滑らかでない部分は「特異点」と呼ばれる。この分野で重要な問題の一つは、解空間の隠れた対称性を理解することであり、それは通常の対称性を拡張した「導来圏」の対称性を含む。導来圏とは、理論物理における弦理論的方法での空間の研究にも使われる代数的道具である。 第一に、隠れた対称性を「偏屈圏(perverse schober)」という特異的なふるまいを持つ圏の族を用いて調べた。第二に、変形代数を用いて、ある広いクラスの特異点に新たに隠れた対称性を見つけ、研究を進展させることができた。
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自由記述の分野 |
Perverse sheaves and derived symmetries
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
最初M.Wemyss氏と共同で、特異点に付随する非特異空間に隠れた対称性を見出す一般的な方法を与えた(Adv.Math.に出版済)。これは、以前のこの対称性の研究方法を統一し、特異点の研究への新たな道具の導入となった。次の論文(IMRNに出版済)では、幾何学的不変式論での壁越えと偏屈圏の関連を説明した。偏屈圏を構成する新しい道具を与え、壁越えに潜む隠れた対称性を理解する新しい方法を与えた。最後に桑垣樹氏と共同で、ミラー対称性への応用を与えた。ミラー対称性は、数学と物理に跨る多くの人々によって研究される弦理論的双対性である。特に偏屈圏に対し「ミラー定理」を証明し、この活発な分野の進展に貢献した。
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