研究成果の概要 |
Kirillov-Reshetikhin加群と呼ばれる重要な量子アフィン代数の有限次元単純加群の族に対し, そのテンソル積の古典極限がどのような加群であるかを解析し, それぞれのテンソル因子の古典極限のフュージョン積として構成されることを明らかにした。 また, Kirillov-Reshetikhin加群が結晶基底を持つ, というのは古くから知られている重要な予想である。この予想に対し, G_2(1)型, D_4(3)型の場合, およびnear-adjointと呼ばれる特別な族の場合で証明を与えた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
量子アフィン代数の有限次元既約加群のテンソル積の古典極限が, テンソル因子の古典極限のテンソル積と一致しないことは古くから知られていたが, その加群に関する研究はほとんど行われていなかった。今回の研究では非常に重要なKirillov-Reshetikhin加群の場合に, この方向性で新たな興味深い研究結果が得られた。その意義は高いと考えている。 またKirillov-Reshetkhin加群が結晶基底を持つ, という古くからある重要な予想を, 様々な場合に証明できたことも, 意義は高いと考えている。
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