有限次元ホップ代数の理論における基本的な道具立て(積分,フーリエ変換,指標など)を有限テンソル圏へ一般化し,その基礎理論を構築した。また,作用関手を用いて,有限テンソル圏におけるある種の(余)エンドを体系的に取り扱うための手法も確立した。そのような基礎理論の応用として,有限リボン圏のモジュラー性の特徴づけ,モジュラーテンソル圏のHochschild cohomologyへのモジュラー群の射影的作用,余加群代数の表現圏の相対セール関手の表示,準ホップ代数の表現圏における修正トレースおよび関連する代数的構造の表示などの結果を得た。
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