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当該年度は研究期間の延長年度であった．昨年度から延期していた海外学会講演として，ブラジルでの国際研究集会「The 22nd Conference of the International Linear Algebra Society」に参加し，正則一様なハイパーグラフにおける線形計画限界についての講演を行った．
また，3つの異なる固有値を持つ正則多重グラフで最大なものを決定した論文「Largest regular multigraphs with three distinct eigenvalues」が査読付き離散系数学専門雑誌Discrete Mathematicsへ掲載された．3つの異なる固有値を持つ正則グラフは強正則グラフとして知られているが，線形計画限界では，その最大なグラフを決定することが難しかった．ここでは，正則グラフにおける線形計画限界を，多重グラフまで対象範囲を広げることに成功し，最大な多重グラフを決定することに成功した．
また，正則グラフの線形計画限界を用いて，最大固有値と二番目に大きい固有値の差として定義されるスペクトルギャップを固定したときに得られる自然な上界について，それの正則二部グラフにおける類似物を与えることに成功した論文「A spectral version of the Moore problem for bipartite regular graphs」（Cioaba氏，Koolen氏との共著）が査読付き代数的組合せ論専門雑誌Algebraic Combinatoricsに掲載された．ここでは，異なる固有値の個数に対して内周の大きい距離正則二部グラフの非存在定理についても示している．
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