研究課題/領域番号 |
16K17576
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研究機関 | 専修大学 |
研究代表者 |
巴山 竜来 専修大学, 経営学部, 講師 (60755891)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 複素幾何 / 表現論 / ホッジ理論 / 旗領域 / Mumford-Tate領域 |
研究実績の概要 |
旗領域は旗多様体の実開軌道であるが、その大域的な正則写像が定値写像のみであるようなとき、それは非古典的旗領域と呼ばれる。近年Griffithsらによって非古典的旗領域の複素幾何的・表現論的研究、およびそのホッジ理論への応用がなされている。当該研究では非古典的旗領域のサイクル連結性と擬凹性と呼ばれる性質に着目し、それらの研究を通したホッジ理論への応用を目指している。 2016年度はAlan Huckleberry氏、Qaisar Latif氏との共同研究を開始し、サイクル連結性を使って、すべての非古典的旗領域が擬凹であることを示した。これによりHuckleberry氏が過去の論文で提示していた予想を肯定的に解決することができた。さらにある特定の旗領域に対して擬凹性の次数に関する評価を与え、その評価がリー代数のルート系によって決定されることを示した。これらの結果は代数幾何シンポジウムとその報告集、およびKIAS(韓国)でのセミナーにて報告した。これらの結果を論文に取りまとめ、研究誌に投稿する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初予定していなかった共同研究の開始により、研究が大きく進展した。旗領域が擬凹であること(Huckleberry予想)の解決は2017年度以降になると計画していたが、想定よりも早く問題が解決した。
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今後の研究の推進方策 |
2016年度の共同研究に関する論文を完成させ、これを投稿する。さらに非古典的旗領域の擬凹性の次数について研究を進める。また擬凹性のホッジ理論への応用、とくにホッジ構造の退化との関係を調べる。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額は418円であるため、概ね年度内に使用している。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度使用額は418円であるため、概ね年度内に使用している。
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