• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2016 年度 実施状況報告書

アフィン量子群のレベル・ゼロ表現論の幾何学的・組合せ論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 16K17577
研究機関群馬大学

研究代表者

石井 基裕  群馬大学, 教育学部, 講師 (00732463)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワードアフィン量子群 / レベル0基本表現 / アフィンGrassmann多様体 / MV輪体 / LSギャラリー
研究実績の概要

本研究の一つの目的はアフィンLie環(に付随する量子群)のレベル0の表現の結晶基底を半無限旗多様体を用いて記述することであるが、特に本年度はより簡単な状況としてレベル0の基本表現たちのテンソル積の形をした有限次元既約表現の結晶基底とアフィンGrassmann多様体との関係について調査を行った。
複素有限次元半単純Lie環(に付随する量子群)の有限次元既約表現の結晶基底に対する組合せ論的な実現を与えるGaussent-LittelmannのLakshmibai-Seshadri(LS)ギャラリー模型があるが、それをアフィンLie環上の柏原結晶となるように自然に拡張したものとして量子LSギャラリー模型を導入している。量子LSギャラリー模型はLenart等による量子LSパス模型と柏原結晶として同型であり、従ってアフィンLie環のレベル0の基本表現たちのテンソル積表現の結晶基底と柏原結晶として同型である。一方、幾何学的佐武対応による複素有限次元半単純Lie環の有限次元表現の幾何学的な実現があり、それからMirkovic-Vilonen(MV)輪体による結晶基底の実現が得られる。MV輪体はアフィンGrassmann多様体のSchubert部分多様体の中の代数的輪体であるが、これらはBott-Samelson特異点解消を経由してLSギャラリーと対応する。一方、LSギャラリーではない量子LSギャラリーはこの対応によって、Schubert部分多様体の特異点部分のより次元の低いSchubert部分多様体の中の輪体に対応することが分かる。この対応は単射ではなくなるが、対応の重複はBott-Samelson多様体上の定数層をSchubert部分多様体の交叉コホモロジー複体で分解した時の重複度と密接に関係する。今後の研究ではこれらの組合せ論的な性質を解明し、量子LSギャラリーの特徴付けを与えたい。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究の最終的な目標は半無限LSパス模型を半無限旗多様体を用いて記述することであるが、より簡単な状況である(が本研究の目的を達成するための本質的な内容を含んでいる)量子LSギャラリー模型とアフィンGrassmann多様体との間の関係についても解決するべき問題点がまだいくつか残っているため。

今後の研究の推進方策

量子LSギャラリーからMV輪体への対応が単射ではなくなることは、Bott-Samelson多様体の定数層をSchubert多様体の交叉コホモロジー複体で分解した時の重複度と密接に関係することが観察されるが、その詳しい性質を解明し、Bott-Samelson多様体のトーラス固定点集合の中での量子LSギャラリーに対する特徴付けを与えたい。また、Baumann-Kamnitzerが発見したアフィンGrassmann多様体と箙多様体との類似性に着目し、量子LSギャラリーに対応する箙多様体の中の代数的輪体(または付随するモーメント凸多面体)を考察したい。そしてレベル0基本表現のテンソル積の結晶基底に対する箙多様体による記述を与え、中島箙多様体の全次数ホモロジー群がレベル0の基本表現のテンソル積に同型であることの組合せ論的な背景を解明したい。最終的には以上のことを半無限旗多様体の設定にまで拡張したい。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 量子ループ代数の組合せ論的表現論と箙多様体2017

    • 著者名/発表者名
      石井基裕
    • 雑誌名

      第28回有限群論草津セミナー報告集

      巻: - ページ: 59-61

  • [学会発表] 量子ループ代数の組合せ論的表現論と箙多様体2016

    • 著者名/発表者名
      石井基裕
    • 学会等名
      第28回有限群論草津セミナー
    • 発表場所
      草津セミナーハウス
    • 年月日
      2016-07-30

URL: 

公開日: 2018-01-16  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi