研究課題/領域番号 |
16K17579
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研究機関 | 日本女子大学 |
研究代表者 |
杉山 倫 日本女子大学, 理学部, 講師 (20633233)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 数論幾何 / modulus presheaf / Chow group with modulus / Motive with modulus |
研究実績の概要 |
(1)加法群のReciprocity層としての2つのテンソル積に関してこれまでに得られていた結果を拡張する形で、昨年度、(i)加法群3つ以上のテンソル積の構造や(ii)ケーラー微分の層とのテンソル積の性質について予想(推測)が立っていた。 (i)を検証する目的で、まずは群レベルでの具体計算を行なった。特定の場合での状況からは予想が正しそうであったが、一般的な状況や層レベルでの計算及びその証明を完成させるには至らなかった。また計算の中で、ヴィット群と加法群とのテンソル積の構造の様子についても考察したが、その構造についての推測を具体的な形で述べられるまでには至らなかった。 (ii)については(i)の予想が正しいという仮定のもとでの検証を行い、この仮定の下では自然な推測であることを確認した。しかし、その性質自体が研究の計画段階で想定していたものとはやや異なるものであるため、より慎重に研究を進めて行く必要があると考えている。2021年度も継続課題である。
(2)昨年度見出した共同研究課題について、本来ならば1週間程度の出張数回により議論を進めていく予定であったが、その形で進めることはできなかった。しかし、オンラインでのビデオ会議の形で、短時間の意見交換や議論を定期的に行うことはできた。当初の内容についてはその方向性がやや見えなくなったため、年度後半からは別の内容についてセミナーを行う形となり、知見を広げることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナ感染症拡大に伴い、教育業務のオンライン化などの負担が非常に大きくなったことにより、計画通りの研究遂行はできなかった。
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今後の研究の推進方策 |
今後も新型コロナ感染症による影響を鑑み、研究計画を変更し、「加法群3つ以上のテンソル積の構造」や「ケーラー微分の層とのテンソル積の性質」についての予想の検証のみに注力することとする。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ感染症の影響が想定よりも大きく長い期間にわたって続いていることにより、助成金を使用する機会がなかった。 次年度も今年度同様旅費への使用は見込めない。またオンライン会議が増加する現状がある。そのため、オンライン会議に対応する機器の整備や研究資料の費用へ使用する計画である。
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