研究課題/領域番号 |
16K17584
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研究機関 | 岡山理科大学 |
研究代表者 |
松村 朝雄 岡山理科大学, 理学部, 講師 (80755223)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | K理論 / Grothendieck多項式 / 行列式公式 / flagged tableaux / グラスマン多様体 / シューベルト類 |
研究実績の概要 |
A型の一般旗多様体のvexillary置換に付随したシューベルト多様体の構造層の同変K類の行列式公式を、Thomas Hudsonとの共同研究で、論文[1]まとめて発表した。現在に雑誌に投稿中である。さらに、上記の行列式公式を一般コホモロジーへの拡張も、論文[2]にまとめて発表し、現在投稿中である。論文[1]の結果により、vexillary型のGrothendieck多項式の行列式公式が得られたわけだが、これはKnutson-Miller-Yongによって、flagged set valued tableauxという組み合わせ論的対象の母関数としても表されている。これを受けて、vexillary置換に対応したものだけではない一般のskew flagged set valued tableauxの母関数として、skew flagged Grothendieck多項式を定義し、それも行列式公式を持つことを、組み合わせ論的な証明を与え、論文として発表した[3]。
[1] T. Hudson and T. Matsumura. Vexillary degeneracy loci classes in K-theory and algebraic cobordism. ArXiv e-prints 2017. [2] T. Hudson and T. Matsumura. Segre classes and Kempf-Laksov formula in algebraic cobordism/ ArXiv e-prints, 2017. [3] T. Matsumura. Flagged Grothendieck polynomials. ArXiv e-prints, 2017.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度は、B1とB4の問題に関し、グラスマン多様体のシューベルト類の構造層のK類の具体的な行列式表示を与えることができた。また、それにより、シューベルト類の背景にある、組み合わせ論的な構造もある程度、理解が進んできた。また、問題B2における、極大直交型グラスマン多様体のシューベルト類のK類のPfaffian公式については、type Bの場合はtype Cの結果を少し発展させた形で、得ることができた。
初年度の課題としてあげていたA1のグラスマン多様体の同変K理論の構造係数のBender-Knuth対合を駆使して求める計画については、同変的な難しさのために、想定外に研究が進まなかった。
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今後の研究の推進方策 |
問題B2における、極大直交型グラスマン多様体のシューベルト類のK類のPfaffian公式については、type Bの場合はtype Cの結果を少し発展させた形で、得ることができたが、type Dの場合は、未だに技術的な問題が解決されていないでいる。アメリカの近い分野の研究者とも交流して、新しいアイデアを見つけ、来年度中に解決したいと思っている。
上記の[3]の論文については、skew flagged Grothendieckが、321-avoidingのシューベルト類のK類を与えることが、最近の論文で発見された。それを受けて、現在同変K理論への拡張を行っている。証明の方法は、組み合わせ論的なものである。ここで得たset-valued tableauxの理解を踏まえて、A1のtype Aのグラスマン多様体の同変構造係数をBender-Knuth対合の手法を使って求める問題に、再度取り組みたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
初年度に研究用のPCを買う予定であったが、大学の事情により間に合っていたので、来年度に予算をまわした。
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次年度使用額の使用計画 |
来年度には、初年度買う予定だったPCを購入したいと思っている。
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