研究実績の概要 |
論文「Ribbon disks with the same exterior」を雑誌「Communications in Analysis and Geometry」に投稿し、無事アクセプトされた。論文の内容は、外部が等しいスライス円盤の無限系列を構成するというものである。構成のアイデアは、私が研究してきたアニュラスツイストという方法である(アニュラスツイストのアイデアは完成した論文では不明瞭になった)。近年は、スライス円盤とヒーガードフレア理論に関する研究が進展している。この研究にキャッチアップすることは、今後の課題である。 田神慶士氏との共同研究において、論文執筆中である。ファイバー結び目に対して定義される拡張されたミルナー数をd3不変量から計算するという結果である。技術的には何も新しいところはないが、執筆予定の内容が書かれた論文は存在しないようである。結び目理論においても、d3不変量やLefschetzファイバー空間の理論が有効であることを示す一つの研究である。また、コンタクト構造の理論は、結び目理論に有効なので、新しいコンタクト構造の応用を探したい。この意味で、田神慶士氏との共同研究は継続する予定である。 マックス・プランク数学研究所で行われた研究集会「Conference on 4-manifolds and knot concordance」で私が提起した問題がAllison N. Miller, Lisa Piccirilloによる共著論文「Knot traces and concordance」に於いて解決された (preprint)。 コンタクト構造の勉強は継続した。力学系と数論と結び目理論に関するGhysの仕事に興味があるので、これを理解して研究に生かすことは、今後の課題である。
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