研究実績の概要 |
本研究の目標の一つである, ビルディングの1-骨格のCAT(0)空間をターゲットとする非線形スペクトルギャップを決定する問題は, 特定のポアンカレ不等式がCAT(0)空間上で成り立つかという問題である. この問題は, CAT(0)空間上で成り立つ距離の平方に関する不等式全体を決定するというより一般的な問題と密接に関係している. 当該年度は, その観点から, そのような不等式全体のクラスがどのようなものか探りつつ, 目的とするポアンカレ不等式がその中に含まれるかを探る研究を行った. その中で, CAT(0)空間上で成り立つ幾つかの不等式を得ることができた. この内容は, 広島幾何学研究集会2016(2016年10月)における講演「距離空間上のWirtinger不等式について」, 第2回摂南大学数理セミナー(2017年1月)における講演「距離と不等式」, また, 淡路島幾何学研究集会2017(2017年1月)における講演「非正曲率性と距離の平方に関する不等式」の中で発表した.
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今後の研究の推進方策 |
基本的には, 本研究の研究計画に則りつつも, 一つの課題に集中して取り組むことで, 成果をあげたい. まずは, ビルディングの1-骨格のCAT(0)空間をターゲットとする非線形スペクトルギャップを決定する問題について, 現在進めているアプローチをさらに推し進めていきたい.
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