今年度はこれまでの総括として,これまでに扱ってきた (i) 行列式点過程から得られる球面上のQMC(準モンテカルロ)デザイン系列に関する離散エネルギーの評価,及び,(ii) p-frame potential を中心とする幾つかのポテンシャルのより精密な評価について,国内における3つの学会・研究集会,及び,1つの国際会議において口頭発表(招待講演2件含む)を行なった.特に(ii)については調和アンサンブルから得られる球面上のランダム点配置に対するp-frame potentialのより精密な評価を得ることに成功している.これらの研究発表についてはこれまでに2つの報告集を上梓し,さらに今後,国際学術誌にサーベイ論文を含む2編を投稿する予定である. また,昨年度投稿中であった機械学習の理論のひとつである kernel feature approximation (特徴写像近似) の理論との関連性を論じた論文が国際学術誌に掲載された.これについては2019年度内に十分周知できなかったことからも今後,国内外の学会等において広く口頭発表していく予定である.また,従来法,及び,cubature公式を用いた方法との比較がまだ未完成であり,今後,この点について継続して研究を行うことを考えている. 最後に行列式点過程を使った方法は更なる発展,例えば,組合せデザイン等を近似する構造としての重要性などがあるのではないかと考えており,今後も継続して考察していきたいと考えている.
|