研究課題
これまでに本研究課題において開発した数値計算コードR2D2(Radiation and RSST for Deep Dynamics)を用いて、これまになく深い計算領域を用いて太陽深部から現れる磁束が黒点を形成する様子を再現した。これまでの研究・計算では、太陽内部で大きく変わるスケールに対応することができずに、非常に浅い計算領域(10 Mm)を用いて計算を行ってきた。一方、黒点を作るような磁場は太陽深部で生成されていると考えられており、この間の物理過程は解明されていなかった。本研究では、これまでになく深い140 Mmという計算領域を用意した。この研究の特に難しい点は、深部の熱対流が統計的定常になるまで計算するという点であるが、我々の開発した非常に効率の高いR2D2コードをスーパーコンピュータ「京」を用いて実行することによってこの困難を克服した。計算において太陽深部から発生した磁束から太陽表面で黒点を形成するところまでを再現することができた。特に新しく得られた知見は以下である。太陽表面付近に平行な磁束官として黒点の起源が存在すると二つの黒点が衝突するまで黒点が発展してしまい、観測を再現することができない。一方、トーラスの形で存在すればこの問題を回避することができる。一方、黒点の元となる磁束が最初からある下降流にある存在することが黒点が表面で形成する上で必須条件であることがわかった。発散流を避けること・磁場をたて磁場にすることが重要であることがわかった。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 1件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (11件) (うち国際学会 6件、 招待講演 4件)
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