我々はすばる望遠鏡FMOSで得られた大規模近赤外分光サンプル(約4000天体)を用い、赤方偏移1.4付近における銀河の金属量と環境の関係を調べた。銀河の局所個数密度の大小および3つの星質量ビンでサンプルを分割し、各ビンにおいてスペクトルのスタッキング解析を行った。得られた合成スペクトルからは水素、窒素、硫黄の輝線が有意に検出され、これらの輝線フラックスの比からガス金属量を導出した。その結果、同じ星質量で見た場合、高密度領域における銀河は金属量が高い傾向があることが分かった。高密度領域における化学進化が進んだ銀河間ガスの降着など、いくつかの原因が考えられる。
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