大質量星の進化の最後に起こると考えられている重力崩壊型の超新星は、爆発の際に大量の重元素を生成し、銀河の化学進化・物質循環において主要な役割を担っている。元素合成量を調べるには長時間の数値計算に基づくデータが必要であるが、第一原理的な詳細計算は計算量が膨大になり長時間の発展を追うことが難しい。今回の研究では、スーパーコンピューターと先進的な手法を用いて空間多次元での超新星の長時間計算を実現し、爆発的元素合成量を算出した。とくに陽子過剰核であるモリブデンとルテニウムに注目して解析したところ、それぞれ異なる環境で生成されていることがわかった。得られた組成比は、太陽系組成と興味深い一致を示した。
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