ニュートリノ質量の絶対値を決める目的で、ニュートリノ放出を伴わない二重ベータ崩壊の探索が世界各地で行われている。崩壊寿命からニュートリノ質量を導くためには原子核の核行列要素の理論計算が必須であるが、精度向上のため、二重ベータ崩壊について、中間核のスピン双極子2-状態を経由する核行列要素成分を実験的に検証することが望まれる。本研究では2-遷移強度分布の効率的な測定を可能とするために、新反応「パリティ移行核反応」を着想し、そのための測定手法を確立した。また、実証実験を行った結果、新反応の2-遷移測定に対する有効性が示された。これにより、二重ベータ崩壊核の2-遷移測定に目処がついたといえる。
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