研究課題/領域番号 |
16K17684
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
日影 千秋 東京大学, カブリ数物連携宇宙研究機構, 特任准教授 (00623555)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 宇宙大規模構造 / ダークマター / ダークエネルギー / 重力レンズ |
研究成果の概要 |
宇宙のエネルギーの95%以上を占める謎のダークマターとダークエネルギーの性質を調べるため、銀河撮像・分光サーベイとCMBを組み合わせたさまざまな理論・観測的研究を行った。すばる望遠鏡を使った銀河撮像計画「ハイパー・シュプリーム・カム」の初期データを使い、奥行き90億光年におよぶダークマターの地図を作成し、宇宙の構造の成長率を誤差3.6%の当時世界最高級の精度で測定することに成功した。プランク衛星によるCMB観測と比較し標準宇宙模型の妥当性や新たな物理の探求を行った。銀河空間分布における非線形重力の影響を抑える再構築法の理論的研究を行い、宇宙の構造成長率の決定精度が向上することを確かめた。
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自由記述の分野 |
宇宙の構造形成
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
宇宙の95%以上を占めるダークマターとダークエネルギーは現代の物理学、天文学にまたがる最大の謎である。すばるハイパー・シュプリーム・カム(HSC)によって遠方かつ広い天域にわたってダークマターの構造が成長する様子を調べることができ、ダーク成分の謎に迫ることができる。今回、すばるHSC計画の第1期データを用いたコズミックシア解析を行った結果、Planck衛星による宇宙初期と若干の食い違いが見られた。本結果は記者会見を通じて広く一般向けに報道を行い、新聞や科学系の雑誌でも紹介された。今後さらに理論・観測の両面で精度を上げることで、現在の標準宇宙模型を超える新たな物理の発見が期待できる。
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