素粒子のカイラリティを考慮した輸送理論を、超新星コアなどで現れる相対論的なカイラル物質に応用した。その結果、通常の物質では存在しないカイラル輸送現象によって、衝撃波の進行方向が素粒子のカイラリティによって決まるカイラル衝撃波や、エネルギーが小さなスケールから大きなスケールへと転化される乱流のカスケード現象(逆カスケード)という新しい物理現象が現れることを明らかにした。また、カイラル輸送理論を光子(電磁波)やグラビトン(重力波)に拡張し、特に、重力場中で右巻きと左巻きの重力波が分離する現象(重力波のスピンホール効果)を見出した。
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