研究課題
若手研究(B)
対称性は現代物理における最も重要な概念のひとつである.対称性が自発的に破れるとそれにともなって南部ゴールドストン(NG)モードと呼ばれるギャップをもたない励起モードが現れることが知られている.対称性の自発的破れとNGモードの間の関係は,孤立系において詳細に解析されていた.本研究では,南部ゴールドストンの定理を古典,量子開放系を含む一般的な系への拡張を行なった.
ハドロン物理学
対称性の自発的破れとそれにともなう南部ゴールドストン(NG)モードの間を関係付ける南部ゴールドストンの定理は,相対論的な系において1960年代に確立していたが時空対称性,開放系といった系においては,対称性の破れとNGモードの関係はよくわかっていなかった.本研究によって内部対称性の破れにおいて開放を含む広い系で適用可能な一般的な定理を導出することができたことで,自然界に存在する様々なギャップレスモードの理解に繋がったという点で学術的意義は大きいと思う.