定常強磁場マグネットと希釈冷凍機に搭載可能な高速比熱測定装置を開発した。本測定系では、0.1秒以下の時間で比熱測定が可能であり、これによって電子比熱と核スピン比熱とを緩和時間の違いにより分離できる。当初、この特徴を活かしPr系籠状物質における非従来型超伝導の起源解明を目指したが、試料の最低到達温度が予想以上に高く、冷凍機の改良の必要があることが分かった。一方、測定が短時間で完了するという本測定の特徴を活かし、すでに基礎物性を評価していたホイスラー合金NiCoMnGaの比熱測定を行った。結果、この物質の磁気熱量特性は、他の組成と大きく異なっていることが明らかになった。
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