極性-非極性構造相転移を持つ層状遷移金属カルコゲナイドMoTe2において物理圧力や化学圧力を用い構造相転移温度を制御することに成功した。物理圧力や化学圧力を加えることで、構造相転移が消失する臨界圧力近傍で超伝導転移温度が上昇することを明らかにした。さらに物理圧力下での熱電物性を測定し、構造相転移が消失する臨界圧力付近において低温でゼーベック係数が異常に増大することを発見した。この異常な増大に起因し熱電変換の出力因子が300 uWK-2cm-1と巨大な値を示す。このゼーベック係数の圧力効果の起源として、電子と格子の非弾性散乱を用いたモデルを提案した。
|