研究課題
本年度は超伝導転移温度との関連が示されているAs-Fe-As結合角を変化させた際にスピン波的な分散や煙突型の磁気励起がどのように変化するのかを明らかにするためCa1-xNaxFe2As2の大型単結晶を進めてきた。結晶育成についてこれまで共同研究を進めている産総研李グループの協力のもと結晶育成を実施した。幾つかのFlux濃度で単結晶試料合成を試み現状ではcmオーダーの結晶育成に成功した。XRD測定から見積もったNa濃度はx=0.56程度と見積もられ、10バッチ程評価した際に程同程度のNa濃度と見積もられ、濃度むらのない単結晶であることを確認した。また、磁化率測定で観測した超伝導転移温度(Tc~34K)と対応することを明らかにした。また、Laue測定により結晶性を確認したところ結晶構造の4回対称性に起因した回折パターンを観測したため、純良な結晶であることを確認している。従来の報告ではmmオーダーの結晶サイズが限界であったが、純良かつcmオーダーの大型単結晶を得ることができたため、中性子実験を行うことが可能になった。また、これまでホールドープ系の鉄系超伝導体を中心に研究を進めてきたが電子ドープ系についても研究を進めている。具体的にはnon-collapse phaseのCa(Fe,Co)2As2単結晶試料における中性子実験を計画しておりH30年度にJ-PARC中性子実 験装置『四季』を用いて実施する予定である。
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Phys. Rev. B
巻: 97 ページ: 064425-1-8
https://doi.org/10.1103/PhysRevB.97.064425