ホールドープ系物質Ba1-xKxFe2As2の過剰ドープ領域に対応するx=0.5(Tc=36K)およびx=1.0(Tc=3.4K)の単結晶を用い、中性子実験装置『四季』を用いて未知であった過剰ドープ領域の磁気励起の研究を進めてきた。本研究課題により磁気励起スペクトルがスピン波的分散(局在性)と煙突型の磁気励起(遍歴性)とで構成されており、ホールドープにより煙突型励起が発達することが明らかになった。また、スピン波励起のバンド幅のホール濃度依存性から、超伝導転移温度Tcの減少に伴いバンド幅の急激な減少が観測された。本結果から磁気交換相互作用JとTcの間に強い関係性があることを示した。
|