酸化物における水素陰イオン(ヒドリド)置換効果を始め、ヒドリドに関する研究が盛んになってきた。本研究では誘電測定システムを構築するとともに、カルシウムニオブニッケル酸化物において水素源とともに焼成するヒドリド置換を試み、物性測定(磁性・誘電性)を行った。構築したシステムを用いて、母物質に関しては5 Kにおいてマルチフェロイック特性(磁性・誘電性が同時に発現する)を示すことが判明した。また粉末中性子回折実験から120°磁気構造由来の強誘電性であることが示唆された。焼成後では結晶の色は顕著に変化したが、磁気相転移点の顕著なシフトはなく磁気相関への影響は小さいものとなった。
|