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2019 年度 実績報告書

多次元トンネル効果異常増大に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 16K17767
研究機関九州産業大学

研究代表者

花田 康高  九州産業大学, 理工学部, 助手 (50773561)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワードトンネル効果 / 動的トンネル効果 / 半古典論 / ハミルトン力学系 / 複素力学系 / 量子古典対応
研究実績の概要

2019年度は主に2つのテーマについて研究を実施した.
1.多自由度ハミルトン系の典型的な模型のうち,性質の異なる2つの模型:標準(Chirikov-Taylor)写像およびHenon写像に対して,状態の時間変化を記述する時間発展演算子のBaker-Campbell-Hausdorff展開(Magnus展開としても知られる)を行い系の高次可積分近似を実現した.いずれの模型においても,非可積分系のトンネ分裂(確率)に典型的に現れる階段構造が周期外力に応じて定まる量子力学的遷移によって特徴づけられる事を示した.また,その量子力学的遷移の摂動強度依存性を多倍長精度計算によって評価を行い,Melnikov積分に相当する特異な依存性が内包されている事を示した.研究成果はPhysical Review E 99, 052201 (2019)に掲載された.
2. Pechukas-Yukawaらによって導入されたレベルダイナミクスを用いてトンネル確率増大の起源に関する研究を実施した.レベルダイナミクスは系の線形なパラメーター変化に対する固有値と行列要素に対する運動方程式であるとともに, Calogero-Moser系として知られる完全可積分系であることが知られている.本研究ではこれまでの研究で構築した吸収摂動法で問題であった摂動基底依存性の問題を解消することができる事を示した.更に,完全可積分系と非可積分系で行列要素の時間発展に質的差異が存在すること,注目準位が受ける力の非対称性が非可積分系のトンネル確率増大の起源を誘導している可能性を示唆する結果を得た.研究成果は日本物理学会で発表し,現在学術論文として投稿準備中である.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Renormalized perturbation approach to instanton-noninstanton transition in nearly integrable tunneling processes2019

    • 著者名/発表者名
      Hanada Yasutaka、Shudo Akira、Okushima Teruaki、Ikeda Kensuke S.
    • 雑誌名

      Physical Review E

      巻: 99 ページ: 052201 (p1-p18)

    • DOI

      https://doi.org/10.1103/PhysRevE.99.052201

    • 査読あり
  • [学会発表] Level dynamics を用いたトンネル分裂の解析II2020

    • 著者名/発表者名
      花田康高, 管野皇太, Sudheesh Srivastava, 首藤啓, 池田研介
    • 学会等名
      日本物理学会
  • [学会発表] Level dynamics を用いたトンネル分裂の解析2019

    • 著者名/発表者名
      花田康高, 管野皇太, Sudheesh Srivastava, 首藤啓, 池田研介
    • 学会等名
      日本物理学会
  • [学会発表] 非可積分系におけるトンネル効果2019

    • 著者名/発表者名
      花田康高
    • 学会等名
      第六回 非線形現象の捉え方

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公開日: 2021-01-27  

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