地球外核は液体鉄合金と5-10%の軽元素から構成されている。現在、地球・宇宙化学的研究より、外核の約10%の密度欠損に相当する軽元素として水素、炭素、酸素、ケイ素、硫黄が有力候補としてあげられているが、その種類、含有量は未だ決定されておらず、60年以上もの間、地球科学最大の謎の一つとされている。そこで本研究ではこれまでに報告されている地球化学的見地を踏まえ、液体鉄硫黄合金に着目し、SPring-8の高輝度放射光X線と高圧発生装置ダイヤモンドアンビルセルを用いることで外核に相当する高圧下における弾性波速度決定・密度決定を行い、地球外核組成に制約を与えることを目的とした。
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