ガンジス・ブラマプトラ川は大量の淡水をベンガル湾へ供給しており、その河口には巨大なデルタ域が存在する。河川水がこのデルタ域を通じてどのように時間変化しながら海洋へと流出するのか、海洋の存在はその流出過程にどのような影響をもつのか、数値モデルを用いて明らかにした。河川水の多くは本流を通じて海洋へと流出したのち海岸線に沿って西進する河川プリュームを形成する。川幅が狭い支流はこの本流が作り出した河川プリュームによって生じる海面高度の変化の影響を強く受けることが明らかになった。この結果は、デルタ域を通じた河川流出過程が河川海洋間の相互作用によってコントロールされていることを示唆している。
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