南海トラフ・トラフ軸周辺で取得された高分解能マルチチャンネル反射法地震探査データを用いて,プレート境界断層よりもさらに海側に発達する微小断層群(プロトスラスト帯)に着目してその拡がりを明らかにした.既存の海底地形データを収集し,トラフ軸周辺における精度を向上するとともに赤色立体地形図法を応用することで微小な変位の抽出に成功し,プロトスラスト帯が海底面に線状に分布することが確認された.併せて沈み込むフィリピン海プレートの堆積層厚の詳細な分類を行い,層準による東西方向の不均質性の存在が明らかになった.今後,トラフ全体を調べることで巨大地震に伴う津波波源等の推定に寄与することが期待される.
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