頭足類は,カンブリア紀~現在までの5億年間,世界中の海洋に繁栄し,絶滅と放散を繰り返してきた.現生の海洋における頭足類は,イカ・タコ類に代表され,これらは遊泳生物として魚類に次ぐバイオマスをもつ.現在海洋生態系の頂点に位置するハクジラ類等はイカ類を選択的に捕食しており,彼らの生命は,イカ類の圧倒的なバイオマスに支えられている.本研究では,現生と同様に過去には,海棲爬虫類などの頂点捕食者が,鞘形類(イカ・タコ・コウモリダコ・ベレムナイト類など非外殻性頭足類)に支えられてきたその変遷史を明らかにした.
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