本研究では、紀伊半島に分布する様々な温泉を対象に、化学組成と同位体組成を分析し、それらの特徴と地理的分布について調査した。また、温泉堆積物中に記録される周期的な鉄の濃集について、日射量の周期変化が影響している可能性を検証するため、有機物の光分解によって生じる過酸化水素と溶存酸素、鉄の状態変化のその場分析を実施した。まず、前者については、紀伊半島を中心に計16箇所の施設から温泉水を採集し、このうち5箇所の施設で、海洋プレートの沈み込みに関連すると考えられる化学的・同位体的特徴を発見した。一方、後者では、0.0000001%オーダーの過酸化水素の定量法を改良した。
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