窒素は大気の主要組成であり、地球内部にも存在するが、全地球規模での窒素循環は明らかでない。本研究では、堆積物有機物をリザ―バーとした地球表層から地球深部への窒素の沈み込みに着目し、沈み込むスラブの温度圧力条件を模擬した高温高圧実験を行った。有機物堆積物のモデル物質として複数の芳香族化合物を用いて、窒素の結合状態の違いによる高分子化メカニズムと窒素の挙動の変化を評価した。窒素が芳香環内に独立して存在する場合は、深さ50km程度の温度圧力条件でN/C比がほとんど変化しないまま高分子化することを明らかにし、地球深部への窒素のリザ―バーとなりうることを提案した。
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