研究課題
結晶構造の次元制御および希土類イオンの微量添加により,ペロブスカイト型酸化物の力学-光エネルギー変換機能の創出に成功し,応力発光センサとしての応用に目処をつけた.しかし,肝心の応力発光機構は明らかになっておらず,材料設計指針は未だ確立されていない.本研究では,申請者の開発したペロブスカイト型酸化物の構造物性・電子構造を実験的・理論的手法によって解明し,応力発光に適した結晶構造を明らかにすることを目的としている.研究を進めてきた結果,対称中心を持たない結晶構造に希土類イオンをドープすると,応力発光強度が著しく増加することを実験的に明らかにした.一方,対称中心がある構造に希土類イオンをドープしても,ほとんど応力発光を示さないことがわかった.このように応力発光特性は結晶構造の対称性と大きく関係しており,圧電体や強誘電体が応力発光に適した構造であることが示唆された.また,希土類イオンをドープしたペロブスカイト型酸化物の第一原理エネルギーバンド計算を行ったところ,希土類のエネルギー準位は,ペロブスカイト型酸化物のバンドギャップ内に孤立形成されていることが明らかとなった.さらに,置換固溶する結晶サイトに応じて,希土類イオンのエネルギー準位が異なることが理論的に明らかとなった.実験値と比較することで希土類イオンの置換固溶サイトが特定できることが示唆される結果となった.応力発光特性との相関は今後進めていく方針である.
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