本研究では、酸化ストレスの軽減に寄与するとされる水素分子の迅速定量法を開発することを目的とした。特に、水素分子を直接電気分解できる高活性な電極材料の創製を達成するため、窒素原子等から成る含窒素官能基群を電解導入したカーボン電極表面に白金粒子を電析させることで、含窒素官能基群と白金粒子が複合した触媒活性点を形成する技術を確立した。また、迅速測定を目的とし、直接クーロメトリーによる水素分子の定量技術を創案し、実際に電解槽型のセンサセルの開発に成功した。このセンサセルを用いることで、溶液中に溶解した水素分子を30秒程度で検知することが可能となり、従来法と比べても測定の迅速化が達成できた。
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