研究課題
ヘムはヘムタンパク質の補欠分子族として含まれる分子てあり,タンパク質部分の作り出す独特の環境にヘムか存在することにより, 様々な機能を発現している.本研究てはこのタンパク質部分をDNAに置き換えることてヘムタンパク質のような機能を出現させること ,およびその機能発現の分子的メカニズムや機能調節機構を明らかにすることを目指した.昨年度までにDNA塩基配列d(TTAGGG)は四分子がG-カルテットを形成することで平行型四重鎖DNAが生じる.更に,3'末端のG-カルテットにヘムがG-カルテットに約3.5 nmの距離で結合することを明らかにしてきた.更にヘムに水が配位していることが示され,この配位構造が後述のぺルオキシダーゼ活性の発現に重要な役割を担っていることが示唆された.今年度の研究では共鳴ラマンの測定よりヘム鉄の配位数が6であることが判明し,ヘム鉄に水が配位していることを示す成果が得られた.この四重鎖DNAとヘムの複合体はヘム単体と比較して高いペルオキシダーゼ活性を示すことを明らかにしてきた.ヘム鉄に水が配位することにより,水からヘム鉄への電子供与したためと考えれれる.今年度の研究では更にペルオキシダーゼ活性を高めることに成功した.ヘムの結合する3'末端に新たにアデニンを追加しヘム周辺の構造を変化させることによって,更に活性が上昇すことを明らかにした. 追加したアデニンはヘムタンパク質であるペルオキシダーゼの遠位ヒスチジンと同様の働きをしたと考えれる.つまり,アデニンの持つ窒素原子の孤立電子対が一般塩基として働いたと考えられる.
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