抗体-薬物複合体(Antibody Drug Conjugate:ADC)の開発における問題点は、抗体分子への薬物コンジュゲートの不均一性による薬効・安全性への影響である。この問題点は通常抗体の構造の複雑さに起因するものであり、低分子抗体であるラクダ科動物由来シングルドメイン抗体(VHH抗体)をADCに利用することで、高い均一性と安全性を兼ね備えた次世代ADCが期待される。本研究では付加される物質(ペイロード)の種類(低分子化合物、核酸)、サイズによるVHH抗体の機能および物性への影響やペイロード側の機能について評価を行った。これらの知見はVHH抗体-薬物複合体開発の技術基盤の確立に資する。
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