二量体構造の含硫黄ジフェノールを母体とした白金族金属を分離する新奇白金族抽出剤として、チオカルバモイル基を有するキレート型抽出剤とジアルキルアミノ基を有するイオン交換型抽出剤を開発した。本抽出剤を用いた自動車触媒由来の酸浸出液からの白金族金属の分離では、チオカルバモイル基を有する抽出剤はパラジウムに、ジアルキルアミノ基を有する抽出剤はパラジウムと白金に対して高い選択性を示し、効率的に抽出できることを見出した。また逆抽出や抽出剤の再利用性についても検討し、自動車触媒由来の酸浸出液から効率的にパラジウムと白金のみを分離・回収できる一連プロセスの構築を行った。
|