本研究では、ラングミュアーブロジェット(LB)法を利用して分子レベルで強誘電性高分子ポリフッ化ビニリデン(PVDF)の機能性単分子膜の作製に成功した。特に、PVDF/半導体高分子のハイブリッドナノシートを様々な混合比で数ナノスケール精度で構築した。PVDF相の結晶相はほぼ100%の強誘電相であることを示した。PVDF相に由来する残留分極を利用して半導体相の電荷移動を制御し、抵抗スイッチングに基づく有機不揮発性メモリを実現した。一方、PVDFナノシートは、有機トンネル障壁層としてスピンバルブデバイスにも適用された。室温付近(300K)で磁気抵抗比が2.5%を超える結果を世界で初めて報告した。
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